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日本の学校給食とは?歴史・献立例・食育・SDGsへの取り組みまで徹底解説 

和食

学校給食の歴史と背景 

日本の公立小・中学校で毎日提供される「学校給食(きゅうしょく)」は、子どもたちの健康と教育を支える大切な時間です。 
始まりは1889年、山形県の小学校で、経済的に困っている子どもたちに温かい食事を届けたのがきっかけ。戦争で中断しましたが、1947年に戦後の深刻な栄養不足を背景に再開。当時は脱脂粉乳、パン、スープなど質素なものでした。 
1954年の「学校給食法」により国の支援が始まり、小学校から中学校へと広がっていきました。 

現代の学校給食と食育の役割 

今日の学校給食は、単なる昼食ではなく食育の場として重要な役割を担っています。 

  • 栄養バランスの徹底管理(カロリー・栄養基準を満たす) 
  • アレルギー対応(除去食や代替食) 
  • 地産地消と食文化の導入(地元食材や郷土料理) 
  • 食育授業との連携(栄養、マナー、産地の学習) 

ほとんどの学校には給食室があり、出来立ての温かい給食が提供されます。調理では、野菜は一度茹でてからサラダにしたり、果物は流水で3回以上洗浄したりと、徹底した衛生管理のもと安全な食事が作られています。器具や調理台も毎日消毒され、安心して食べられる環境が整っています。 

学校給食の献立例と特徴 

献立は毎月変わり、主食・主菜・副菜・汁物・牛乳・果物などが基本です。 
1か月の中でまったく同じ献立が出ることはなく、栄養士が1日に必要な栄養素やエネルギーなどのガイドラインを基に、季節や食材の種類、色合いなどを考えながらバリエーション豊かに組み立てます。日本料理だけでなく、ビビンバやチリビーンズ、トムヤムクンなど外国の料理が登場することもあります。 

一例: 

  1. ご飯、魚の南部焼き、野菜のからしあえ、豚汁、牛乳 
  2. エビクリームスパゲティー、大豆の甘辛サラダ、果物、牛乳 
  3. パインパン、スパニッシュオムレツ、マカロニスープ、果物、牛乳 

牛乳はカルシウム補給のため、ほぼ毎日つくのが特徴です。 

彩りと季節感のあるメニュー 

学校給食は、旬の野菜や果物を取り入れるほか、行事食も豊富です。例えば: 

  • 七夕:星形ちらし寿司や七夕そうめん、星形ゼリー 
  • お月見:お月見団子 
  • ハロウィン:かぼちゃスープ 
  • 郷土料理:地域や全国各地の名物料理 

旬の味覚はこちらの記事でも紹介しています。

みんなが大好きな「揚げパン」

学校給食の人気メニューといえば、やはり「揚げパン」です。ふわふわのコッペパンを油で揚げ、きなこや砂糖をたっぷりまぶした甘くて香ばしい一品。給食のときにこのメニューが出ると、教室が少しそわそわするほどの人気ぶりです。地域や時代によって、ココア味抹茶味などアレンジバージョンが登場することもあります。シンプルながらも、世代を超えて愛され続ける学校給食の代表格です。 

配膳と食べるマナー 

日本の学校給食の特徴は、生徒自身が配膳することです。 
給食当番が週ごとに交代し、エプロンと帽子を着けて給食室でクラスごとに分けられたワゴンから鍋や食器を受け取り、クラス全員に均等によそいます。配膳の順番や量にも気を配りながら、最後の一人まで同じように行き渡るよう工夫します。 
食事中は「いただきます」「ごちそうさま」を全員で唱和し、食べ物や作ってくれた人への感謝を表します。コロナ禍前は机を向かい合わせてグループで食べるのが一般的でしたが、現在は個々の席で食べる学校もあります。 
食べ終わったら自分で食器をワゴンへ戻し、給食当番がまとめて片付けます。この流れを通じて、協力の大切さや食べ残しを減らす意識が自然と育まれます。 

SDGsと学校給食の取り組み 

学校給食は、子どもの健康や食育だけでなく、持続可能な社会づくり(SDGs)にも貢献しています。 
例えば、食品ロス削減のために「完食デー」「残菜ゼロ運動」を行ったり、地産地消を推進して地元農家から直接食材を仕入れ、輸送によるエネルギー消費を減らしています。 
また、飲み終わった牛乳パックを開いて洗い、乾燥させてから再資源化するリサイクル活動や、調理くずや残った食材を堆肥にして学校菜園や地域農家で活用する取り組みも行われています。さらに、給食時間には食材の産地や環境に関する情報を紹介するなど、子どもたちが環境問題を身近に感じられるような教育も取り入れられています。 

学校給食を体験できるスポット

東京や大阪には、学校給食を再現したレストランや居酒屋があり、教室風の内装や懐かしいメニューで人気です。アニメやドラマで見た「日本の学校生活」を体験したい人にもおすすめです。 

💡子どものころの給食でおなじみだったミルメークも飲めちゃうのが嬉しいポイント。牛乳が苦手でも飲みやすくなる、あの懐かしい甘さを今でも味わえます。 気軽に楽しみたい方は、Amazonで購入できます

まとめ 

学校給食は、子どもたちに必要な栄養を届けるだけでなく、食の大切さや文化、協力する心を育む日本ならではの教育の一環です。季節や地域の特色、さらにはSDGsの視点も取り入れながら、毎日の食卓を通して多くの学びを提供しています。日本の学校給食は、まさに“食べて学ぶ”時間といえるでしょう。 

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旅好き食いしん坊ライター。方向音痴の全国通訳資格ガイド保持者。日本旅行リピーターも迎え入れる日本人側も両方ハッピーになるようなネタ探しに毎日奔走中

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