5月5日、日本では「こどもの日」と呼ばれる祝日がやってきます。空に色とりどりの鯉のぼりが泳ぎ、街には兜や鎧の飾りが並ぶこの日は、ゴールデンウィークのちょうど最終日にあたります。一見「こどものための祝日」と思われがちですが、その背景には、家族への願いや日本人が大切にしてきた季節の感覚が深く根付いています。
日本を旅していると、5月の街が少しだけ特別な空気をまとっていることに気づくかもしれません。公園や川沿いにずらりと並ぶ鯉のぼり、和菓子屋に並ぶ柏餅や粽(ちまき)、そして神社での特別な行事。このガイドでは、こどもの日の由来から楽しみ方まで、旅行中でもすぐに役立てられる情報をまとめました。
5月に日本を訪れるなら、ぜひこの祝日の空気感も旅の一部に取り入れてみてください。混雑の多いゴールデンウィークだからこそ、日本の文化に触れる機会も、いつもより身近なところにあります。

こどもの日とは?その由来と意味
こどもの日は、毎年5月5日に制定されている国民の祝日です。1948年に法律で定められ、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」とされています。
この日にはもうひとつ顔があります。それが「端午の節句(たんごのせっく)」です。もともとは奈良時代に中国から伝わった行事で、邪気を払い、健康と長寿を願う日とされていました。やがて江戸時代には武家社会の影響で「男の子の成長を願う日」として定着し、兜や鎧を飾る習慣が広まりました。
現代では「こども全体を祝う日」という位置づけに変わってきていますが、鯉のぼりや兜といった伝統的な飾りは今もなお各家庭や公共の場所で見ることができます。

空を泳ぐ鯉のぼり|見どころと意味
こどもの日の象徴といえば、やはり鯉のぼりです。川の流れに逆らって泳ぐ鯉のように、こどもが困難にも負けず力強く育ってほしいという願いが込められています。
一般的な鯉のぼりのセットには、黒・赤・青の3匹の鯉が使われます。黒は父、赤は母、青(または緑)はこどもを表すとされており、家族全体を表現しているとも言われています。

鯉のぼりを楽しめる主なスポット
① 東京スカイツリータウン こいのぼりフェスティバル
場所:東京都墨田区(ソラマチひろば・スカイアリーナ)
日程:4月10日〜5月6日
約1,000匹のこいのぼりがスカイツリータウン内の各所に掲揚される。
すみだ水族館のチンアナゴのぼりも登場し、こいのぼりに紛れて探す楽しみも。
② 東京タワー 333匹の鯉のぼり
場所:東京都港区(東京タワー1階正面玄関前)
日程:3月18日~5月6日
タワーの高さ333mにちなんだ333匹の鯉のぼりがライトアップとともに楽しめる。赤い東京タワーと鯉のぼりの組み合わせは絶好のフォトスポット。
③ こいのぼりの里まつり(ギネス認定)
場所:群馬県館林市(鶴生田川・近藤沼公園など市内4会場)
日程:3月20日〜5月6日
2005年に5,283匹の掲揚でギネスブックに認定されており、現在も毎年4,300匹超が掲揚される東武線館林駅から徒歩圏内でアクセスも比較的容易。
④ かんな鯉のぼり祭り
場所:群馬県多野郡神流町、神流川河川敷
日程:イベント期間は5月3日〜5月5日、鯉のぼり掲揚期間は4月26日〜5月10日
清流神流川の上空に大小約800匹の鯉のぼりが泳ぐ 。露店でアユの塩焼きや山菜天ぷらも楽しめる。自然の中での体験型で、「本物の日本の田舎」を感じられる穴場スポット。
⑤ こいのぼりの川渡し(発祥の地)
場所:高知県四万十町十川、四万十川沿い(こいのぼり公園)
日程:4月12日〜5月9日
約500匹の鯉のぼりが四万十川の上空を泳ぐ 。全国的に広まった「川渡し」形式のこいのぼりイベントの発祥地であり、川を挟んだ山と山をワイヤーで繋いで渡すスタイルは唯一無二の絶景。「日本最後の清流」四万十川と合わせて訪れることができます。
⑥ 浅野川の鯉流し
場所:石川県金沢市、浅野川(梅ノ橋〜浅野川大橋)
日程:毎年5月4日ごろ開催
端午の節句に空に浮かぶ鯉のぼりを友禅流しのように川に流す、全国でも珍しい形式 。ひがし茶屋街など金沢の古い町並みが背景に映える。金沢観光と組み合わせやすいです!

兜と節句飾り|家庭と街に広がる伝統
こどもの日に向けて、多くの家庭では兜や鎧を飾ります。もともとは武士の装備であったこれらの飾りは、「こどもを守る」「勇敢に育ってほしい」という願いを象徴するものとして受け継がれてきました。
旅行中であれば、デパートや商業施設のディスプレイ、道の駅の展示、歴史的な家屋などで本格的な兜飾りを目にする機会があります。また、観光地の土産物屋では、ミニチュアサイズの兜や五月人形を販売していることも多く、記念品としても人気です。

こどもの日に食べるもの|柏餅と粽
こどもの日には、季節ならではの和菓子を味わうのも旅の楽しみのひとつです。代表的なのが「柏餅(かしわもち)」と「粽(ちまき)」の2種類です。
柏餅(かしわもち)
白い餅にこし餡や味噌餡を包み、柏の葉で巻いたシンプルな和菓子です。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家系が絶えない」縁起物として使われています。
5月に入ると、全国の和菓子屋や百貨店、スーパーでも気軽に買えます。旅行中でも和菓子店を探せばまず見つかります。

粽(ちまき)
もち米や葛粉を笹の葉で包んで蒸した食べ物です。関西地方を中心に親しまれており、特に京都では上品な味わいの粽が端午の節句の定番として知られています。

旅行中に参加できるイベント・体験
こどもの日前後は、全国各地でさまざまなイベントが開催されます。旅程に組み込める体験として、以下のようなものがあります。
- 鯉のぼり祭り・鯉のぼり観賞(河川敷・公園)
- 武家屋敷・歴史博物館での兜・鎧の特別展示
- 神社での端午の節句祭り(地域によって異なります)
- 和菓子ワークショップ(柏餅作り体験):東京・京都・鎌倉などで不定期開催
- 子ども向けイベント:遊園地・水族館・動物園などでも特別プログラムが組まれます
ゴールデンウィーク中のため、人気観光地は例年かなり混雑します。オンラインでの事前予約や、早めの時間帯の行動をおすすめします。

福島にある会津武家屋敷は、武士の暮らしや戊辰戦争の歴史に触れ、赤べこ体験も楽しめる「歴史感動ミュージアム」です。詳しくはこちらから。
京都の和菓子体験の記事はこちらからどうぞ。
ゴールデンウィーク中の旅行|外国人旅行者へのアドバイス

子どもの日は、4月末から続く「ゴールデンウィーク」の最終日にあたります。この期間は日本の大型連休で、国内旅行者も多く動くため、交通機関や観光地の混雑が例年ピークに達します。
旅行者が知っておくと役立つポイント:
- 新幹線・特急列車は早めの予約が必須。直前だと満席になることも多い
- 人気の宿泊施設は数ヶ月前から埋まるケースがある
- 博物館・美術館・体験施設は当日券が売り切れる場合があるため、事前予約が安心
- コンビニやスーパーは通常通り営業しているが、一部の個人商店は休業することも
- 英語対応のスタッフがいる観光施設は増えているが、地方では日本語のみの場合もある
まとめ
こどもの日は、空に泳ぐ鯉のぼり、季節の和菓子、家々に飾られた兜など、日本の「5月らしさ」を全身で感じられる特別な日です。単なる祝日として通り過ぎるのではなく、その背景にある文化や願いを知ることで、旅の記憶はきっと少し深くなるはずです。
混雑のあるゴールデンウィーク期間ではありますが、日本の年中行事に触れる貴重なチャンスでもあります。事前の準備と少しの心構えで、より充実した旅にしてくださいね。

